前回はフロントフォークを分解したところまでやりました、
この回では傷んだ部品を補修部品に交換しながらフロントフォークを組み立てていきます
バリ取り
下記の2つの補修部品のバリ取りから始めます
下の画像の黒っぽいのが
【スライダブッシュ(灰色)】
銅色のが
【ガイドブッシュ(茶色)】
バリ取りにはペーパーを使います、指先で触れて滑らかになってればOK!
フォークパイプ(インナーチューブ)の仮組み
フォークパイプ先端のスライダブッシュを新品のものに交換
新品のガイドブッシュ内側にフォークオイルを薄く塗布しフォークパイプ上部から入れていきます
続けてバックアップリングもフォークパイプ上部から入れていきます
次はフォークパイプの中にフォークピストンを挿入します、
この時リバウンドスプリングを入れ忘れないように注意!
続いてフォークスプリング、スプリングシート、スプリングカラーの順で入れいき最後はフォークトップキャップを押し込むようにして締めますが、この段階では8割方締め込んでおけばOK!
そのようにして仮組みされたフォークパイプが下の画像です
フォークパイプとフォークスライダを結合
上の画像に写っている
オイルロックピースをフォークピストンの先端に装着
このオイルロックピースを装着したフォークパイプASSYをフォークスライダに挿入していきます、
挿入前にはスライダブッシュ外周にフォークオイルを塗布しました
新品のフォークソケットボルトに新品のシーリングワッシャーを装着します、
フォークソケットボルトのネジ山にはネジロック中強度を少量塗布、その後フォークスライダに挿入したフォークピストンの雌(メ)ネジに対し締め込んでいきます、
但しオイルシールを打ち込むまではセンターが出ていないのでこの段階では7割程度の締め付け具合にしておきます
これで一応フォークパイプとフォークスライダが結合されました
ガイドブッシュ打ち込み
この後はガイドブッシュを打ち込みます
この作業に使う道具はオイルシールプッシャーと併せてサークルリングも使うのですが、サークルリングの3つあるツメの1つが破損して使い物にならないので、通常とは違うやり方で実行します
ガイドブッシュをフォークスライダ(アウターチューブ)にセットする所までは同じですが、
そこからは、お役御免となった古いガイドブッシュ2つを新品のガイドブッシュの上に乗せ、更にその上にバックアップリングをセット(下の画像参照)
その上からオイルシールプッシャーを使ってバックアップリングを叩きます、すると新品のガイドブッシュが打ち込まれて行き所定の位置に納まるといった寸法、所定の位置というのも打音と手に伝わる感覚でわかります、
ここは何事もなくクリア、力も要らずイージー
道具として使用したバックアップリングと古いガイドブッシュ2個は取り除きます
オイルシール打ち込み
今回の作業の中で一番大変なのがこのオイルシールの打ち込み
スタートはオイルシールをフォークパイプに通す所から、
この時に最大限気を付けるのはオイルシール内側のリップに傷を付けたりしない事!
そのため多くの人は入口であるフォークパイプ先端にビニール袋(コンビニ袋など)を被せるなどします、
でもREIWAはちぎれたりしたビニール袋がリップ間に嚙み込むのを嫌ってそのような事はせずシリコングリスを接触する箇所ににたっぷりと塗布してから通すようにしています
フォークパイプにもシリコングリスを薄く塗布し、その表面を優しく滑らせるようにしてオイルシールを降ろしていきます(下の画像参照)
オイルシール外周部にフォークオイルもしくはシリコングリスを塗布し、そのままフォークスライダ(アウターチューブ)内に「クチュ~」と指で押し込める所まで押し込んでいきます
前述した通りサークルリングが破損して使えないのでオイルシールの打ち込みも通常とは違うやり方で実行します
フォークスライダにセットした新品のオイルシールの上に古いオイルシールをセットします、
この古いオイルシールには予め内、外側ともフォークオイルを塗布しています
オイルシールプッシャーを使い古いオイルシールを上から叩いて新しいオイルシールを打ち込んでいきます
しっかり叩いているつもりでも新品のオイルシールは上手く入っていかず難易度の高い作業になります、
オイルシールプッシャーのような専用工具を使えば簡単そうにも思えますけど、正確に真っすぐ叩かないと打ち込む事は出来ません…絶妙な力加減と慣れが必要です、焦らずにじっくり腰を据えて挑む覚悟が必要です
そんな訳でこの作業中の写真はありません(苦笑)
f('ω') 作業に真剣になってもうた
ストッパリングの溝がはっきりと見える位置までオイルシールを打ち込んだら、不要になった古いオイルシールを撤去します、先の尖った千枚通しなど使って引っ張り出す事ができます
フォークソケットボルト本締め
ストッパリングをフォークスライダ側の溝に嵌め込みます、その上から錆止めにシリコングリスを軽く盛ります
仮止め状態のフォークソケットボルトを20N・mで締め込みます
この作業では万力にフォークスライダを固定出来れば簡単ですけど、無い場合は滑り止めのグローブを手に嵌め頑張るか、あきらめて車両に一旦仮組みしてから締め付けるかのどちらかになると思います、
どちらにせよ楽しみながら作業を進めていきます
('ω')