皆さんこんにちは!
REIWAです
('ω')ノ
今回の内容はブレーキフルードを交換した時の様子を記したものです
('ω')オートバイのね
でもその前に少しばかりブレーキフルードについて話してみたいと思います、
知ってる方も少なくないと思いますけど、国産のオートバイは”DOT4”といったものが一般的に使われています、
REIWAが乗るNC700XもDOT4指定、
四輪車はといえば”DOT3”の方が一般的だと思います、何の事かといえばブレーキフルードのグレードのお話…
で、このグレードが違うことで何が変わるのかっていえば…
沸点が変わってくるという事
DOTの後にくる数字が大きいほど沸点が高くなりペーパーロック現象が起こりにくくなります、またフィーリングにおいてもタッチが硬くなる方向です、
しかしそのトレードオフで吸湿性が高い(劣化するのが早い)といったデメリットがあるので交換をサイクルを早めてやる必要があります
その交換サイクルというのは、DOT3で2年、DOT4では1年とされています、
つまりDOT3使用の場合は車検毎に交換すればOK、DOT4を使用している場合はそれより早いサイクルで交換する必要が出てくるという事、
またブレーキフルードは熱に晒される事でも劣化が進むので、例えば山坂道を走行する機会が多いとかでブレーキを多用する…そんなシビアコンデションの場合は交換サイクルを少し早めてやる必要も出てきます
('ω')
因みにDOT4の上に”DOT5.1”といったグレードのブレーキフルードも存在します、
間違えないで欲しいのは”DOT5”といった存在、これは主成分がシリコンで出来ておりハーレーなんかで使われているブレーキフルード、国産オートバイには使えません
('ω')
エンジンオイルと同様に定期的な交換を必要とするのは分かっていても、交換しないままだとどうなるか今一ピンときてない人もいるかと思います
じゃあ、交換しないままでいるとどうなるか?
それは、教習所で習った通り”ペーパーロック現象”がおきます
忘れたという方の為に話しておきますけど、山坂道の下りなどを走行中に急にブレーキが効かなくなってしまうアレのこと、
アレとはブレーキフルードが加熱されて生じた気泡により圧力の伝達が阻害されてしまうといった現象です…
('ω')ブレーキレバーがグリップにくっつくまで握れてしまってビックリしまっせ、もちろんストッピングパワーなんてはものはナッシング…(汗)
劣化したブレーキフルードというのは極端に沸点が下がってしまうのでこの様な現象が起こってしまうのです、
また、劣化したブレーキフルードというのは水分を含んでいるのでブレーキ機構などにも悪影響を及ぼします。
そんな訳でブレーキフルードは定期的に交換する必要がある…そんな話をしてきましたが、何を隠そうこの度のNC700Xのブレーキフルード交換はなんと3年半ぶり!
( ゚Д゚) ガーン…
「冬が明けたらやろう」「夏前にはやっておこう」そんな調子でズルズル先延ばしにしてたら予定より1年以上も過ぎていたという…苦笑
通勤…というか経営してる店舗への毎日の足としてNC700Xを走らせていた頃は、タッチそのものに変化を感じたらその都度エア抜きがてらブレーキフルードを交換していたので半年以内に1回程度の間隔でやってたフルードの交換、だけど現在では年間の走行距離が1000km程度…
そんな訳で今のところブレーキのタッチに不満はないものの、劣化してるのは間違いないのでここらで交換と相成った訳なのでございます
( `ー´)ノ
今回の作業で使用したもの
ブレーキフルードへの拘りがある人なら知らない人はいないワコーズの ”SP-4”
DOT4規格だけど剛性感あるフィーリングは普通のDOT4とは段違い!そんな理由もあってか四輪でサーキット走行する人達の間でも愛用者が多いんだとか('ω')
REIWAはオートバイにだけ”SP-4”を使用、ちょっとだけお値段が高めだけど「カチッ」としたタッチが好みの方にはオススメ
値段の安さと信頼性に長けたホンダ純正ブレーキフルードの”BF DOT4"、REIWAもエア抜きの際に使うなどしてこちらも併用。
ブレーキフルードの交換だけなら前後のブレーキラインあわせて500mlあればお釣りがきますが、しつこい位のエア抜きをするなら1L位あってもよろしいかと('ω')
下の商品は、お馴染みSTRAIGHTからの”ハンディバキューム”、手動にて負圧を作りだす道具です。必ずしもブレーキフルード交換に必要なものではないけどエア抜きにおいては有るのと無いのとではスピード感も疲労度も全然違ってきます。耐油チューブ含めた必要物一式がケースの中に揃ってるので手っ取り早く進めたいって方にもオススメ。大きな負圧は作れないので四輪車では使用不可。
今回のブレーキフルード交換は、エンジンオイルの交換と一緒に作業したので油脂類は共に廃油処理箱に入れて処分する事に。知っての通りブレーキフルードは塗装を侵すので取り扱いは慎重におこないます、ブレーキフルードだけの時はペットボトルに入れて行きつけのガソリンスタンドで処分してもらっています('ω')
下の商品は調理用のバット。ワタクシREIWAの仕事道具だったものです。今回の作業でもそうでしたけど、取り外したパーツや使用する工具などをこの中に入れて作業すれば「あれっ⁈ どこやったっけ?あれ…」ってなオッサン特有の現象がなくなります(笑)
オートバイのメンテナンスなんかやってると、このエアダスターなんかも大変重宝します。パーツの汚れなどを洗浄したあとにエアダスターで「シュ―ッ!」とやって水滴飛ばし!作業効率もあがります
リアブレーキから作業開始 ( ・`д・´)
OCT.2019. 35720km
いつも通りリアブレーキから始めていきます
ご覧の通りリアのリザーブタンクはフレームで隠れた位置に設置されています
取付けは対辺8mmのボルト1本だけ、8mmのソケット+エクステンション+ラチェットレンチの組み合わせでリザーブタンクをフリーにします
下の画像の赤矢印の先に写っているのはNC700Xのメンテナンス用に制作したSST(ただの自作ステーw)、当然に非売品ですw。
NC700Xのブレーキメンテをする上でこれが有るのと無いのとでは大違い…という事で早速このステーを使ってリザーブタンクをメンテモードの位置で固定します
('ω')このSST↑ は6年程前に制作したもの、つくり方はホムセンで適当なステーを買ってきて”手で曲げ””ドリルで穴を空けた”だけ、なのでヤル気があれば誰にでも作れますぜ!
キャリパーニップルに8mmのメガネを掛けてから耐油チューブを画像のように繋ぎます
下の画像はこの作業をする上での耐油チューブの取り回し図、S字フックなどを用いて耐油チューブ(赤の太線)をこの様に取り回します、理由はニップルから排出されたエアーが再びキャリパー内に入っていかないようにする為
早速ここでハンディバキュームの登場!
上の画像の耐油チューブの続きは下の画像のカップへと接続。ハンディバキュームからの耐油チューブもカップへと接続します
予めリザーブタンクから古いフルードを抜いておくのですが、その前に古い靴下と輪ゴムを使って養生しておきます、
その後はプラスドライバーを使って上蓋を外し、セットプレート、ダイヤフラムの順で取り除き、それらをバットに敷いたキッチンペーパーの上に並べて置きます
リザーブタンク内のフルードを全て吸い取ります、この時使う道具は使用後のヘアカラーの容器、これをスポイト代わりに使います、そんなのねーよ!という方は〇イソーなどでスポイトやシリンジ等を用意をしてくだされ…、あー、画像に写っているそれは何って?…この時期の屋外での作業にはベープ必須ですw
リザーブタンク内が空になったら、毛羽立ちのないキッチンペーパーを用意してカップ内の汚れを拭き取っていきます、
それが終わったらリザーブタンクに新しいフルードを8割程度注ぎ入れ、ブレーキフルードの交換作業を始めていきま。
バキュームのグリップを握り「シュポシュポ」を切り返し負圧を作っておきます。目一杯負圧が掛かってる事がメーターで確認できたらニップルに掛けている8mmのメガネを45度程度緩める。するとキャリパーから古いフルードが排出されチューブの中を流れていきます。リザーブタンクが空にならないようにフルードを継ぎ足しながら「シュポシュポ」を繰り返します
4年程前に注いだ”SP-4”は新油の時と色が変わっていないので終わりのタイミングが何ともつかめないw
エアーも最初の方にほんの少し出ただけでその後は無問題。天気も怪しくなってきたのでバキュームを使っての交換は100ml程度で終了('ω')
ニップルは高トルクで締め込むと変形して使えなくなるので力加減が必要。普通に「キュ!」と締めるだけで大体OK。
その後は基本的なやり方でブレーキフルードの交換をします。右手でブレーキペダルを操作、左手はニップルに付いたメガネ。用意ができたら右手でブレーキペダルを1回2回と操作。3回目の操作の時(しっかりと圧を掛けたままにしとく)にニップルを45度程度緩めるとキャリパーからフルードのが少し排出されるので排出されたところでニップルを閉める。この王道のやり方を数回繰り返してキャリパーからエアーが出てこない事が確認できれば終了。耐油チューブをニップルから外します、この時チューブ内に負圧が掛かっていれば、チューブを外す時フルードが垂れる心配もないです。最後はニップルの穴に薄っすらと残ったフルードをキッチンペーパーをコヨリにして吸い取ってあげます。そして全部の作業が終わったあとキャリバーニップルを水で流すようにします。理由はニップルの腐食(錆)を防ぐ為。エアダスターで水分を完全に飛ばしてからゴムキャップをかぶせて完了('ω')v
コンバインドブレーキ?(´・ω・)
このNC700XはコンバインドABS仕様。コンバインドブレーキとはブレーキペダル(フットブレーキ)が前後連動ブレーキになっているという事。なのでリアのリザーブタンクというのは今作業を終えたリアブレーキ(キャリパー)はもちろん事、コンバインド用のフロントブレーキ(キャリパー)のリザーブタンクも兼ねている訳なんです。
という事でこのままフロントキャリパーから先ほどと同じやり方でコンバインド用のラインのフルードも交換していきます('ω')
上の画像を見ての通りにフロントキャリパーにはニップルが2つあります。間違えのないように('ω')
コンバインドブレーキのフルードも納得いくまで交換が出来たらリザーブタンクにフルードを満たしダイヤフラムを元通りに。セットプレーも元通りにします。この時ダイヤフラムはフルードの液面に密着するように。上蓋をねじ締めしたら「ほっ」と一安心(^^)
リザーブタンクは念のため濡らしたウエスで丁寧に拭いておきます。
急いでフロントブレーキをやっつけるぞ!( ・`д・´)
更に天気が怪しくなってきたので急いでフロントブレーキも仕上げます。
リアの時と同じようにキャリパーニップルから古いフルードを抜く為の準備をします。
お次は下の画像のようにリザーブタンクの周りを養生。
上蓋、セットプレート、ダイヤフラムの順でパーツを取り外し古いフルードを抜き取っていきます。
前回フロントはエア抜きで使用したホンダ純正(ウルトラBF、DOT4)フルードを使って作業を完了させてます。リアのリザーブタンクのワコーズ”SP-4”と比較すると黄金色に変色しています。フルードが満タンなのは先月ブレーキパッドを新品に交換したから('ω')v
リザーブタンクからフルードを吸い取ったら毛羽立ちのないキッチンペーパーで汚れも拭き取っていきます。
今回はフロントのブレーキラインもワコーズSP-4を通します。
新しいフルードでリザーブタンクを満たしたらハンディバキュームを使い古いフルードをキャリパーニップルから吸いだしていきます('ω')
前から見るとこんな感じ(p_-)
耐油チューブの中にエアーが確認できるけど、これはキャリパー内から排出されたのではなくニップルとキャリパーの隙間のネジの部分を通って大気から入ってきたエアー。、あまりにもエアーが混入してくるようだと負圧も掛かりにくい筈です。そのような時はニップルとキャリパーの隙間にシリコングリスを薄く盛ればあっさり解決します('ω')
下の画像はカップに溜まった古いブレーキフルード。ハンディバキュームを使うと結構簡単に抜けていくので、作業中はくぐれもリザーブタンクを空にしないように気を付けます。
フロントもハンディバキュームを使って納得できるところまで交換できたらニップルを閉めます。
リアの時と同じようにこの後は王道スタイルでエア抜き。左手でブレーキレバーを操作。右手はメガネレンチを持ってニップルを開閉。エアーが出てこない事が確認出来たらニップルを閉め耐油チューブを取り外します。この時くれぐれもフルードを垂らさないように。
この辺からいつ雨が降ってきてもおかしくない状況になったのでこの後の写真は撮ってません(苦笑)
リアの時と同様、リザーブタンクに新しいフルードを満たし、その液面に密着するようにダイヤフラム、セットプレートをセット、上蓋をネジ止めしたら濡らしたウエスでリザーブタンクを拭き上げます。
最後に前後キャリパー周辺に水を掛けます。ニップルの穴も水で流します。キャリパーに付いてる水分はエアーダスターで飛ばしておきます。最後にゴム製ニップルカバーをニップルに被せて終了。
このあと試運転をして異常がなければお疲れ様となります。試運転の前にはブレーキレバーをニギニギ、プレーキペダルはフミフミしてから出発するのはブレーキメンテ後のお約束です('ω')
まとめ
当初考えていた以上に長くなってしまいましたけど如何だったでしょか? f('ω')
古いブレーキフルードの処分ですけど今回はエンジンオイルと一緒に廃油処理箱で処理したので処理箱を購入したスーパービ〇ホームさんに持ち込み引き取ってもらいましたけど、いつもはペットボトルに入れて行きつけのガソリンスタンドで処分してもらっています。何度も言いますけどブレーキフルードは塗装を犯す成分を含んでいるので取り扱いには注意が必要です。
それとブレーキは重要保安部品です。ご自分で作業される場合は十分な知識と道具を準備してからおこなうようにして下さい。異常を感じた時は整備資格を持ったスタッフがいるホンダドリームなどのバイクショップに相談するようにしてください。
本ブログを参考に作業される場合は全て自己責任でお願いします。
それではこの辺で失敬
本日も最後までありがとうございました('ω')ノ